ワラをしきつめた真っ赤な部屋に座る美女と小さな赤鬼。不気味なBGMが流れるなか、赤鬼が中央のティッシュ箱から一枚ずつ空へ投げる…。
某ティッシュメーカーが80年代に放映したこのCMには、呪いがかかっている。
まず、CM放映前に、赤鬼役の子どもが原因不明の熱病で死亡。スタッフの一人もサウナで謎の事故死。さらに、白い服を着た女優も、極度のノイローゼ状態のまま死んだ。
呪いの理由はBGMにある。この曲、実は黒ミサで使われる「一人ずつ呪い殺す」という意味の呪い歌なのだ。
まず、このCMに出演した女優は、松坂慶子だ。いまも大活躍中であり、ノイローゼになったことなどないことは言うまでもない。
同様に、赤鬼役を演じた子役も、のちに別の番組に出演していたことが確認されており、死んだ事実はない
そして、スタッフの怪死について。このエピソードは、故・岡田有希子の最期を撮影したカメラマンがサウナで事故死したとの逸話にそっくりなため、ネットで広まるうちに混ざり合った可能性が高い。ちなみに、このカメラマンの話も、ネットで作られたデマである。
最後に、バックでかかっていた呪いの歌も、原曲が特定されている。イギリス人歌手のジェーンが80年代に発表した「It's a Fine Day」なる作品で、「明日は良い天気になりそうだ」といった内容のポジティブな一曲である。
独特な雰囲気を持ったCMだったため、すべてが憶測で語られた、典型的な都市伝説だったようだ。