1974年11月13日、アメリカ・ニューヨーク州で平凡な一家の長男が家族6人をライフルで惨殺する事件が発生。取り調べに対し、犯人は「家族を殺せという声が聞こえた」と供述した。
その後、何も知らないラッツ一家が問題の家に引っ越してくると、室内に見知らぬ男児が現れ、居間のドアが吹き飛ぶなどの怪現象が続発。一家は28日で家を出る事態になった。
ラッツ一家の恐怖体験は後に映画化され、「悪魔の棲む家」の名前がついた。
「悪魔の棲む家」で撮影された一枚。誰もいないはずの屋内に、眼が光る少年の姿が映り込んだ
70年代のオカルトブームに便乗して一儲けを企んだサギでした
「悪魔の棲む家」と呼ばれたアミティハウス。怪現象はウソだったが、一家の惨殺事件が起きたのは事実だ
事件は一家の長であるジョージ・ラッツ(右)のねつ造だった
映画「悪魔の棲む家」の全米公開から2年が過ぎた1979年に、意外な形で真相が明らかになった。
映画の権利料をめぐって、ラッツ一家の長であるジョージ・ラッツが裁判を起こした結果、すべてがデタラメだったことが判明したのだ。
裁判記録によれば、借金に苦しんでいたジョージは、当時のオカルトブームに便乗して一儲けを画策。名作ホラー映画「エクソシスト」のエピソードをベースに、オリジナルの怪現象をでっち上げたらしい。