岩手県の中央部に位置する遠野村には、地元民が「ゆうれい坂」と呼ぶ不思議な坂道が存在する。
どう見ても上り坂なのに、エンジンを切った車が上に向かって走り出し、路上に置いた空き缶が上に転がっていく。あたかも、そのエリアだけ重力が無くなったかのようだ。
遠野村にはパワースポットが多く、何らかの神秘的な力が働いている可能性が高い。
坂道に空き缶を置くと…
坂の上に向かってコロコロ
エンジンを止めた車も、ゆっくりと坂を上がっていく
脳の混乱によって起きる目の錯覚です
実際に傾きを調べると、坂道が下っているのがわかる
角度の違う坂が連続すると、脳が混乱を起こしてAからBの間の坂が上り坂に見えてしまう
アメリカや韓国など、世界中には同様の現象が起きる坂道がいくつか点在し、「グラビティヒル」と呼ばれる。その原因は、ズバリ目の錯覚だ。
基本的に人間の脳は坂道の傾きを認識するのが苦手で、勾配を見ると上り坂だと思い込む傾向が強い。
例えば緩やかな下り坂の向こうに急な下り坂があると(上図参照)、地平線が見えなくなり人の脳は混乱を起こす。その結果、下り坂が上り坂のように見えてしまう。理屈がわかっても、やはり不思議な現象ではあるが。