2008年2月、シンガポールのラッフルズビルに備え付けの監視カメラが、怪奇現象を記録した。
深夜1時、残業中のサラリーマン2人が会話をしつつエレベーターの中へ。数十秒で目的階に着くと、2人のほかに誰もいなかったはずのエレベーター内に不気味な老婆が現れる。うつむいたままユラユラとサラリーマンの後を追う不気味な姿は、とても人間とは思えない。
動画は「ラッフルズビルの亡霊」のタイトルで共有サイトにアップロードされ、たちまち250万再生を記録。心霊動画の定番となった。
某ビジネスビルの監視カメラ映像
2人のサラリーマンが現れた(右上)
2人がエレベーターの中へ
しばらくしてエレベーターを降りると…
老婆が!!
腰を曲げたままヨタヨタと外へ出ていく
オカルトファンにとっては「基礎教養」ともいえる定番の動画だが、残念ながら完全な作り物。大手広告サービス企業・マッケイングループのシンガポール支社が、口コミマーケティングを目的に作ったプロモーション映像だった。
同企業の広報によれば、100万円の低予算で制作したCG動画で、世のサラリーマンたちへ「あんまり遅くまで仕事をしていると、疲れすぎて幽霊を見るかもしれないぞ」との警告の意味を込めたという。
実にわかりにくいメッセージだが、結果的に動画は大ヒットをおさめ、同企業の株は一気に上がったそうだ。