1972年に制作された絵画「ハンズ・レジスト・ヒム」、は呪われた絵と呼ばれている。
この絵を飾っていたロサンゼルスの画商が行方不明になった後に死体で発見され、次に絵を手にしたギャラリーもオーナーが突然死に見舞われたからだ。
最後にはロス市内に住む夫婦の手にわたったが、「絵の子どもが抜け出てくる」と言って子どもが泣き止まなくなったため、オークションに出品。
しかし、現在も買い手がつかない状態だ。
噂の出どころになったのは、2000年2月に行われたネットオークションだ。問題の絵を出品した人物が、次のような説明文をつけた。
「ある朝、4歳になる娘が、『絵の子どもたちが抜け出した』と泣いていました。最初は信じませんでしたが、夫が試しにカメラを置いたところ、本当に絵が動いているところが写っていたんです!」
ヨタ話としか思えないが、出品された作品が妙に薄気味悪かったため、ネットで話題が沸騰。最終的には約100万円で落札される騒ぎとなった。
が、これに困惑の声を挙げたのが、絵の作者であるビル・ストーンハムだ。テレビゲームやマンガのキャラデザインで有名な人物で、「呪い」などとは全く無縁の存在である。本人が自分のサイトに書いた文章によれば、「あの絵は5歳の自分を描いたものだよ」とのこと。オークション出品者が、話題作りにでっち上げた話と考えたほうがよさそうだ。
ただし、この絵を所有した画商が連続して謎の死を遂げたのは真実で、理由はわかっていないらしい。ビル本人は、「偶然だろうけどね」と、平然とした様子だが…。