男性はクレルヴィル・ナルシス。1962年にハイチで死亡宣告を受けたが、2年後に墓の中で蘇生し、その後18年間にわたって国中を放浪し続けた驚くべき人物だ。
ナルシスさんによれば、実の兄が土地相続を有利に進めるべく自分をゾンビに変えた可能性が高いという。
ハイチには古来から人間をゾンビ化して奴隷として扱う技術があり、いまもたびたびゾンビの姿が目撃されている。
ゾンビとして故郷にもどった直後のクレルヴィル・ナルシス
赤の他人である可能性が大です
自分が入っていた墓の上に座る現在のナルシス氏(自称)
2012年にも、ゾンビ化した20代の若者が保護された。ハイチでは、今も頻繁にゾンビ事件が起きている
かつては「フグ毒で一時的に意識を失わせてゾンビ化した」という説が有力だったが、ナルシス氏の事件では確実な死亡宣告書が出ており、現在では否定されている。
その代わり、いま可能性が高いのが「赤の他人」説。サギ師が死者が蘇ったフリをして遺族に近づき、土地を奪おうと企んだというものだ。実際、ナルシス氏の身元確認は少年時代の記憶を質問されただけで終わっており、本人だと確定したわけではないらしい。
現在、ナルシス氏(と自称する人物)は、家族を相手に土地の権利訴訟の真っ最中だそうだ。