2007年に初開催され、毎年3万人以上のランナーが参加する「東京マラソン」。
幹線道路を7時間も封鎖して行われる超大規模なイベントだが、そこまで都が力を注ぐのには、裏の理由がある。
なんとこの大会、東京で有事が起きた際に人々が逃げまどう動きをシミュレートするために開催されているのだ。
例えば戦争が起きた場合に、多くの人が一斉に避難する際の移動時間などをランナーを用いて計測する。国家事業として有用なデータを大量に集め、万が一の事態に備えているのだ。
本当です
東京マラソンのルート。十字を描いた奇妙なコースになっている
いかにも陰謀論のような噂だが、大筋は真実だ。
上に掲載した東京マラソンのコースを見ると、通常とは異なりルートが十字状になっている。このように奇妙なコース取りは、普通のマラソンではありえない。
実際、NPO法人「民間危機管理再生機構」が作成した「『東京マラソン2007』における行政の意義」なる資料には、次のような記述がある。
「今回、行政側が主催した『東京マラソン2007』の意義は、『帰宅行動者の誘導訓練と統計的データ収集』という側面も兼ね備えている。大都市で開催される市民参加型のマラソンというのは、必ず別の側面も併せ持つ。なぜなら、同時にリスクも発生するからである。特にテロが頻発する近年ではこのような注目イベントは格好の標的になりやすい。よって、主催する行政にはリスクに見合うリターンが必要なのである。大都市で行われる市民参加型マラソンのリターンは危機管理体制の確認と訓練、及びデータ収集にある」
しっかりと、有事の際に都民が逃げるためのデータ収集が目的だと明記されている。
また、2009年からは東京マラソンの開催日に限り、「屋形船東京都協同組合」が屋形船を無料で乗船できるサービスを開始しているが、これは災害時を想定して屋形船での無料搬送を応援者に体験してもらうのが目的、地震やテロなどで橋が使えなくなった際の搬送訓練の一環として行なっているようだ。